連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第8回
延長される動作、更新される動作
細馬 宏通
1
1滋賀県立大学人間文化学部
pp.248-249
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102147
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介護をしていると、尿とりパッドの尿の量で季節を感じる、という方はけっこうおられるのではないだろうか。夏は汗をかくからそれほどでもないけれど、冬はどうしても量が多くなる。とくに夜は、パッド1枚では間に合わないときもある。パッドを2枚重ねるようになると、冬が来たなと思う。
グループホームのカンファレンスで、スタッフのIさんが「他の方、どうしたはんのかなぁ」と切り出した。「2枚重ねたとき」、Iさんは左右のてのひらを合わせて水平に差し出す。「あの、1枚目の、穴あけてはります?」、左手を水平にしたまま、今度は右手の人差し指で左掌の中央を指さす。
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