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編集後記
吉尾 雅春
pp.754
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101477
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百日紅の花が咲き始めました.私にとっての「真夏」は蝉の声であり,もくもくと上昇する入道雲であり,スイカであり,ひまわりであり,そして百日紅なのです.えっ,何と読むのか,ですか?「サルスベリ」と読みます.そのまま「ヒャクジツコウ」と読んでも間違いではありません.百日間も咲き続けるかどうかは別として,7月から9月にかけて咲く花期の長い落葉樹です.よく見かけるのは紅色系の花ですが,淡紫色や白色もあります.白色の花では百日白と書いて「ヒャクジツハク」とも言いますが,やはり「サルスベリ」と読みます.ややこしいですね.幹の肥大成長に伴って古い樹皮のコルク層が剥がれ落ち,ツルツルした樹皮が表面に表れてきます.猿が登ろうとしても滑ってしまうといういわれを持つ木です.編集後記というよりも,サルスベリの解説になってしまいました.
さて,今月の特集ではICFを取り上げてみました.ICFの誕生から8年が経過しましたが,わが国の理学療法界にあってはまだまだ定着したとは言えない状況にあります.きっと何らかの問題があるのでしょう.それはICF自体に問題があるのかもしれませんし,私たち自身にあるのかもしれません.理学療法士がそれまでのICIDHによる障害ということばに慣れ親しんでいたというのも大きな原因であろうと思います.そして,ICFの意図していることをよく理解できていないことも事実でしょう.提案されている膨大なコードや曖昧な評価基準も多忙な臨床現場にはあまり歓迎されていないようです.
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