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編集後記
吉尾 雅春
pp.92
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104189
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世界保健機関(WHO)が示した国際生活機能分類(ICF)では,障害をもった人々がより健康な生活を送れるようにするために,いろいろな視点から評価し,アプローチすることを求めています.そのなかの要素の1つとして患者の「環境因子」を取り上げています.家族の熱い思いと行動力も環境因子であり,家屋構造や玄関の前の石段も環境因子になります.
ここまではリハビリテーション医療従事者の誰もが考えることです.いや,リハビリテーション医療従事者だからこそそのように考えるのであり,それらへの対策を考えていく専門家がリハビリテーション医療従事者です.しかし,患者の立場に立ってみると,今重要な環境因子とは家屋構造などではなく,目の前にいる医療スタッフ自身の考え方であり,能力であり,病院のコンセプトなのかもしれないのです.残念ながらそのことを自ら評価する医療スタッフはあまりいませんし,気づかなければ修正もできません.
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