特集 理学療法士による起業
起業の実例
5.セミナー事業を通じて,患者のQOL向上,理学療法士界の発展に寄与する
張本 浩平
1
Harimoto Kouhei
1
1合同会社gene
pp.317-321
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101392
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
起業に至った思い―なぜ理学療法士がセミナー事業を行うのか?
筆者は,1998年に養成校を卒業し,療養型病院に勤務した後,1999年に理学療法士が起業した会社(株式会社ジェネラス:本社・名古屋市中区)に就職した.同じ専門職が社長を務める会社であるため,非常に働きやすい職場で,職員の士気も高く,とても居心地のよい空間であった.そのため,独立志向などはまったくなく,その会社で一生過ごすための人生プランを考えていたが,色々な要因が重なり,自分の意識が独立・起業という方向に向いてしまった.その要因の中で1番大きかったのが,ある利用者の死を経験したことである.
以前勤務していたジェネラスでは,筆者は訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)と,職員教育を兼ねた研修会の企画・運営を行っていた.訪問リハで初めて担当した小児の利用者は,A君という利用者で,2003年から担当していた.彼は2006年10月にある会社のヘルパーさんの食事介助中に窒息により亡くなった.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.