特集 思春期保健と保健婦活動
健全母性育成事業の発展
原澤 勇
1
1(社)日本家族計画協会
pp.638-644
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900101
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はじめに
10代の人工妊娠中絶の増加傾向が顕著になったのは,昭和53(1978)年からである。社団法人日本家族計画協会(以下,本会とする)では同年,東京四ツ谷の主婦会館に家族計画クリニックを開設,当初のねらいは,産後および人工妊娠中絶後の主婦に対する避妊サービスにおいていた。しかし来所者のほとんどが10代および20代前半の未婚者であった。昭和54(1979)年にはクリニック内に電話相談室を開設,都内で思春期の子を持つ親を対象としたマザースセミナーの開催もはじめた。
昭和54(1979)年の母子保健家族計画全国大会で,はじめて思春期妊娠をテーマとしたシンポジウムが催された。昭和55(1980)年スウェーデン,イギリスなどの家族計画協会の思春期対策の視察をはじめ,以後欧米に10数回にわたって視察団の派遣を行なってきた。
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