特集 介護保険下の理学療法
医療から介護への移行と課題
浜村 明徳
1
Hamamura Akinori
1
1医療法人共和会小倉リハビリテーション病院
pp.639-647
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101228
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はじめに
2006年度の診療報酬と介護報酬の同時改定で,医療保険においては急性期・回復期,介護保険では維持期のリハビリテーション(以下,リハ)を担うという役割分担が行われた.しかし,地域間や保険制度間のリハ提供量の格差などの問題から,継続したリハが提供されにくいという意見を考慮して,2007年度には,維持期におけるリハ診療報酬の改定が行われた.2008年度の診療報酬改定では,2010年までに限って,疾病別に13単位/月とする維持期のリハ料が認められた.これは,2009年度の介護報酬改定を見込んだ設定であると考えられる.
医療から介護への移行(つなぎ)では,まず,どのようなリハ的対応が期待され,実施されるべきなのかが問われ,次に,それを実践する仕組み・制度が課題となる.現状は,実践と仕組みの双方に課題があり,移行がうまくいっていないケースが多くみられる.
現在,老人保健健康増進等事業による研究事業が行われ,それらの結果を踏まえた提案も整理されつつある.本稿では,研究事業の結果などから,医療から介護への移行に関する課題について私見を述べる.
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