特集 痛みの病態生理と理学療法
痛み・しびれの病態生理と臨床評価
植村 研一
1,2,3
Uemura Kenichi
1,2,3
1浜松医科大学
2横浜市病院経営局
3横浜市立脳血管医療センター
pp.95-104
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101108
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はじめに
患者を最も苦しめる痛み・しびれに適切に対処するには,痛み・しびれの病態生理を理解し,的確な診察・臨床評価によって患者の訴えと病態を理解した上で,機能的脳神経外科手術を含めた適切な治療法とケアを選択することが重要である.本稿では,筆者の40年以上にわたる臨床経験に基づいた痛み・しびれの病態生理と各種の治療法をわかりやすく解説する.さらに詳細な解説は成書1)を参照していただきたい.
●感覚,知覚,認知の定義
末梢の感覚受容器が刺激された結果として,神経信号が中枢神経内を上行する過程を感覚(sensation)と呼び,それが大脳皮質の一次感覚領野に到達して意識された時に知覚(perception)と呼び,さらにその意味を理解した時に認知(cognition)と呼ぶ.日本語を知らない外国人が日本字を見たら,「知覚」はできても「認知」はできない.
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