今月の主題 しびれと痛み 患者の“何か変な感じ”をどう受け止め,応じていくか
しびれ・痛みの基礎知識
しびれ・痛みのやさしい生理学―しびれ・痛みをどう理解するか
國本 雅也
1
1済生会横浜市東部病院脳神経センター
pp.196-198
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103201
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ポイント
●痛みを伝える神経線維はAδとC線維である.それらの末端は自由神経終末で機械的受容器やポリモーダル受容器などがある.
●Aδ線維は伝導が速く部位局在の明確なぴりっとした鋭い痛みを伝え,C線維は伝導が遅く部位局在の不明瞭な,ずーんと疼くような鈍い痛みを伝える.
●痛みの中枢伝導路は脊髄後角から入り,交叉して対側の外側・内側脊髄視床路を上行し,視床を経て第一次および二次体性感覚野,さらに島や前頭葉へ投射する.
●病的痛みを発生する機序には,傷害を受けた末梢から中枢に至るさまざまなレベルでの求心路遮断痛,感作(sensitization),アロディニア,エファプスなどがある.
●しびれの機序に関しては,阻血によるNa+/K+ポンプの異常からその解除後の異常放電が原因と考えられ,脱髄部からのさまざまなインパルス異常も証明されている.
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