Japanese
English
症例報告
トルエン中毒後に生じた横紋筋融解症に対する理学療法の1例
Physical therapy of a patient with rhabdomyolysis after toluene poisoning:case report
小澤 和義
1
,
石井 隆
1
,
新木 真一
2
,
森 俊樹
1
Kozawa Kazuyoshi
1
1社会福祉法人恩賜財団済生会滋賀県病院リハビリテーション科
2社会福祉法人恩賜財団済生会滋賀県病院内科
キーワード:
横紋筋融解症
,
トルエン中毒
,
急性腎不全
,
運動抑制
,
慢性疼痛
Keyword:
横紋筋融解症
,
トルエン中毒
,
急性腎不全
,
運動抑制
,
慢性疼痛
pp.775-779
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101029
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要旨:急性トルエン中毒後に横紋筋融解症を発症した患者に対し,入院14日目から理学療法を行う機会を得た.当科紹介時,左腰部から下肢には著明な腫脹,疼痛を認めた.また,急性腎不全に対する持続的血液濾過透析用のカテーテルが左大腿静脈に留置され,左下肢の運動は伸展装具により抑制されていた.その後も疼痛の制御が困難で,運動療法に大きな支障を来したため,持続硬膜外麻酔で除痛が図られながら治療した.しかしながら,退院時には左下肢の筋萎縮と疼痛,左足関節の拘縮が残存してしまった.一般的に横紋筋融解症の筋障害の予後は比較的よいことが多いとされているが,重症例では必ずしもそうとは言えないのではないか.重症の筋障害を認めた場合には,十分な除痛を図り,患部を愛護的に扱い,浮腫管理などを行いながら,状態に合わせた運動療法を早期に開始すべきであると考える.
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