Japanese
English
症例報告
蜂刺症後に横紋筋融解症を生じた兄弟例
Sibling cases of rhabdomyolysis due to bee stings
平川 佳葉子
1
,
原田 直江
1
,
森川 博文
1
,
辻 徹郎
2
,
田中 稔彦
3
Kayoko HIRAKAWA
1
,
Naoe HARADA
1
,
Hirofumi MORIKAWA
1
,
Tetsuro TSUJI
2
,
Toshihiko TANAKA
3
1厚生連廣島総合病院皮膚科
2厚生連廣島総合病院小児科
3たなか皮ふ科アレルギー科
1Division of Dermatology, Hiroshima General Hospital, Hatsukaichi, Japan
2Division of Pediatrics, Hiroshima General Hospital, Hatsukaichi, Japan
3Tanaka Dermatology and Allergy Clinic, Hiroshima, Japan
キーワード:
蜂刺症
,
横紋筋融解症
,
皮膚壊死
Keyword:
蜂刺症
,
横紋筋融解症
,
皮膚壊死
pp.506-510
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205138
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要約 6歳と8歳の兄弟.山中で蜂に複数か所刺された.帰宅後,軟便・嘔気・嘔吐などの症状を認めたため,救急車で近医総合病院を受診し,ステロイド,抗ヒスタミン剤の点滴後帰宅した.蜂刺傷部の疼痛,弟は夜間に38℃の発熱を認め,翌日近医皮膚科を受診し,当科に紹介された.兄弟ともに蒼白化を伴う刺傷部が数か所存在した.血中CK値の上昇,ミオグロビン尿より,蜂刺症による横紋筋融解症と診断した.同日当院小児科に紹介し,腎保護目的に入院した.ステロイドの点滴と輸液を施行し,腎機能障害を起こすことなく退院した.経過中刺傷部は徐々に壊死を認めるようになり難治化した.蜂刺症に伴う横紋筋融解症は稀だが,発症すると血液透析や死亡に至る例も少なくない.年齢,CK値,刺傷数,蜂刺傷部の皮下出血,壊死所見などが横紋筋融解症の発症や重症化の予測に有用な所見と考える.蜂刺症による横紋筋融解症の発症,重症化を早期に把握し,治療を開始することが大切である.
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