特集 全身症状を伴う皮膚疾患(2)
臨床例
蜂刺症による横紋筋融解症
田島 綾子
1
,
米山 啓
,
牧野 俊一
,
中西 加寿也
1成田赤十字病院 皮膚科
キーワード:
横紋筋融解症
,
昆虫刺傷
,
急性腎障害
,
スズメバチ類
,
輸液療法
Keyword:
Insect Bites and Stings
,
Rhabdomyolysis
,
Wasps
,
Acute Kidney Injury
pp.833-836
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014082389
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<症例のポイント>国内での蜂刺症による死亡例は年平均20~40例あり、死因の多くはアナフィラキシーショックといわれているが、直接毒作用による横紋筋融解症や多臓器不全による死亡例も散見される。国内の報告例をまとめると、蜂刺症後に横紋筋融解症を発症した際の致死率は35%にも及ぶ。蜂毒はアミン類、キニン類、ペプチド、酵素類に大別される。これらのうちペプチドに含まれるマストパランや酵素類による直接細胞障害作用により横紋筋融解症が発症すると考えられている。多数の蜂刺傷を受けた場合は、直接毒作用による横紋筋融解症や腎不全、多臓器不全に陥る可能性を念頭に置いて加療する必要がある。
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