学校探検隊
社会人に門戸を開いて―弘前大学社会人特別選抜の13年
對馬 均
1
,
濱地 敬子
1
,
高橋 堅
1
1弘前大学医学部保健学科
pp.884-885
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100905
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そして社会人特別選抜は始まった
弘前大学医学部保健学科は,青森県弘前市の中心街に位置し,昭和55年に開設された弘前大学医療技術短期大学部を前身としています.通算23年間にわたるその教育の特色の一つに,社会人特別選抜があげられます.文部科学省が多様な入学者選抜を進める今では,決して珍しくはなくなった社会人特別選抜ですが,理学療法士養成系の大学として全国に先がけてこの制度を導入したのが,他ならぬ弘前大学であったというわけです.社会人特別選抜を導入するに至った背景には,3年制医療短大開設後の10年間に,一般入試の難関をくぐりぬけて入学してきた社会人が少なからずおり,それらの学生たちの“がんばる姿”が一般学生に好影響を及ぼすという事実がありました.こうした環境が下地となり,周到な準備の下で平成2年度から弘前大学の社会人特別選抜は開始され,4年制の医学部保健学科となった現在まで,13年間継続されてきています.
追跡調査からわかったこと
これまで入学した社会人学生の状況をデータから振り返ってみますと,開始初年度の入学者が卒業した平成5年3月から医療短大最後の学生を送り出した平成15年3月までの12年間に,45名が入学し,44名が理学療法士として巣立ちました.志願者の出身地は全国にまたがっており,年齢も20歳台から40歳台までと幅のあることから,この制度により,理学療法士への転向を考える全国の多様な社会人に対して,理学療法士への門戸が広げられていることがうかがわれます.
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