紹介
高齢者介護研究会の報告について―リハビリテーションへの苦言と提言
大川 弥生
1
Okawa Yayoi
1
1国立長寿医療研究センター老人ケア研究部
pp.879-881
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100902
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本年7月10日に,「高齢者リハビリテーション研究会」(座長:上田 敏,委員全20名)が,中村秀一厚生労働省老健局長の私的研究会として発足し,筆者も委員の一員となった.これは2年後の介護保険の抜本的な見直しをも視野に入れて,高齢者リハビリテーションのあり方全体を考えようという趣旨のものと言ってよく,本年末までに一応の結論をまとめる予定になっている.またこの研究会は,6月26日に発表された高齢者介護研究会の「2015年の高齢者介護―高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて」と題する報告書1)を受けて,その趣旨である「高齢者の尊厳」をリハビリテーションによって支える方策の検討を目指すものである.
高齢者介護研究会は,同じく老健局長の私的研究会で,座長の堀田 力氏(さわやか福祉財団理事長,元ロッキード事件主任検察官,元法務省大臣官房長)以下10人の委員からなる.この研究会は高齢者介護全般について精力的に審議を進め,優れた内容の報告書をとりまとめた.そして委員にリハビリテーションの専門家がおられないにもかかわらず(あるいはむしろそれゆえに?),リハビリテーションの現状への厳しい苦言と暖かいゆきとどいた提言をしてくださっており,リハビリテーションに携わるすべての人の必読の文章であるといって過言ではない.ここでこの報告書のリハビリテーションに関する部分を全文紹介するとともに解説を加えたい.
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