理学療法の現場から
早出・遅出体制について思うこと
西本 加奈
1
1特別医療法人春回会長崎北病院
pp.501
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100834
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当院は平成13年5月1日に48床の回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟を開設し,現在に至る.開設当初より,看護師15名,補助看護師5名に加えて,PT,OTを各8名ずつ配属し,365日の早出体制を試みている.また,各職員の実践的な練習技術を高め,極力統一する目的で,PT,OTは全員早出体制,STは週1回の早出体制を試行してきた.これは,朝の時間帯に必要なADL動作は,入浴以外のほぼすべてを含んでおり,この時間帯にスタッフを充実させることで,着実に主目標に向けてのADL練習を行えるというメリットを最大限に考慮したからである.特に高次脳機能障害患者や痴呆患者では,早朝病棟ADLへの介入時間を設けることで,朝の実生活場面を想定した有効なADLへの実践と定着化が図れるようになり,自宅復帰とADL能力の向上が確実に早期に実現されるようになってきている.
当初は 午後10時までの遅出勤務なども試行してみた.しかし,夜間は排泄動作中心となり練習時の物音により他疾患の入眠を妨げることや,夜遅くまでの遅出シフトによりスタッフが分散されることなどによる弊害が生じたため,夜間帯までの遅出勤務体制については現在は考えていない.しかし,眠剤を服用している患者や昼夜の排泄能力に差が生じている患者に関しては,回復期リハ病棟朝礼でその時々の情報を入手することにより,臨機応変にチェックや指導などの対応を行っている.
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