病院の広場
思うことども
大和 人士
1
1岡山済生会総合病院
pp.17
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203765
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医の本質は患者のためのものといわれるが,現実の医療は,あらゆる面で,患者中心が口先だけではなかろうかと思われるこのごろである,それでは,われわれ500床級の病院はどうしたらいいのか.ずばりいって,魅力ある病院にする必要がある.まず,患者から,次に全職員,なかんずく医師から見てである.具体的には,治療・検査に経済的負担がかからないで,なるべく早く社会復帰できる病院,そのためには実地医療のレベル・アップが必要であり,勉強できる病院になることである.ポストグラジュエート教育は総合病院でといったら言い過ぎであろうか.
最近,年代の違いによる考え方の断層を味わっているが,そういった教育にかなった病院をつくるために若い人に力を貸してもらいたい.それには,大学——総合病院——診療所が,それぞれ‘3分の1損’的な考えで,歩み寄るほかあるまい,学生のいう大学の封建性が,かりにあるとすれば,その解決の動きは,まず年代の古いほうからすべきだと考えるが,若い入の協力もまた欠かせないことであろう.
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