特集 整形外科疾患のクリティカルパス
チーム医療用クリティカルパスの導入に伴う問題点―頸椎症性頸髄症(脊椎管拡大術)を例に
甲斐 健児
1
,
藤村 宜史
1
,
豊田 章宏
1
,
下野 研一
1
,
福島 麻紀
1
Kai Kenji
1
1中国労災病院リハビリテーション科
pp.104-111
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100775
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中国労災病院においても,厳しい医療環境への適合や業務の合理化,患者サービスの向上を目指してクリティカルパス推進委員会が組織されている.当院でクリティカルパス(以下,CP)として承認を受ける手順を簡単に説明する.まず作成されたCPはCP推進委員会に提出され,使用基準および実施マニュアルなどについて監修を受け,さらに監修されたCPは医事課入院係に提出されパス番号を受領する.そして最終的に認定されたCPをもとに患者用CPが作成される.この患者用CPは入院診療計画表として使用することが許可されている.CPを作成する場合,患者用CPは所定の形式に従う規定になっているが,医療者用CPは各科の使いやすい形式を採用してよいとされている.
当院リハビリテーション(以下,リハ)科においても29疾患に対してリハ科CPを作成し,実用化している.しかしこれはリハ科の治療計画を明確にする目的で作成されたため,チーム医療用としてのCPではない.そのため,実際にCPを運用していくうえでリハでは有用であったが,主科との連携の面では不一致な点も多かった.そこで,チーム医療用のための包括的なCPの必要性を痛感するに至り,医師,看護師,リハスタッフ共同でチーム医療用CP作成のための作業グループを構成することを提案し,チーム医療用CPを作成すべく作業を開始した.
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