講座 理学療法士の卒前教育・2
日本理学療法士協会が推進する卒前教育のあり方
潮見 泰藏
1,2
Shiomi Taizo
1,2
1国際医療福祉大学保健学部理学療法学科
2日本理学療法士協会教育部
pp.157-163
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100651
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はじめに
理学療法士の卒前教育は,今,大きな転換期を迎えている.社会全体の規制緩和の流れの中で,1999(平成11)年に施行された教育カリキュラム(指定規則)の改正以来,わが国の理学療法学教育の向かうべき方向が茫茫としているように思われる.かつてないほどの養成施設・学生数の急増,学生気質の変化,業務の拡大など,教育を取り巻く環境が大きく変わってきており,従来の教育内容や方法では対応が困難となってきている.養成施設の急増は教員の不足をもたらし,教育経験の浅い教員が増加することになった.しかも,教員ごとに指導内容が不統一であり,教育技法に関する知識も不十分なまま教育に携わらざるを得ない状況にある.さらに,臨床実習施設ならびにその指導者の不足も深刻な問題となっている.このように昨今,卒前教育に関する問題は山積しており,日本理学療法士協会(以下,協会)の果たすべき役割はますます大きくなっている.本論では,こうした現状を踏まえて,協会が推進する「理学療法士の卒前教育」のあり方について,私見を交えて述べる.
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