インタビュー
理学療法の未来と日本理学療法士協会の役割
半田 一登
1
1(社)日本理学療法士協会
pp.338-340
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101159
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会長に就任して
―日本理学療法士協会(以下,協会)会長への立候補を決断された理由は何でしょうか?
理由はいくつもありますが,一番大きな理由は,診療報酬の切り下げをこれ以上認められない,ということです.私は,昭和46年から38年間臨床で仕事をしてきましたが,この10年ほど,診療報酬の切り下げが続いています.これは,臨床の理学療法士にとって大きな負担となっています.たとえば,私が1日に診た患者さんの人数は最高で35人です.米国や欧州の理学療法士は,1日の担当数は多くても10人,平均して6,7人で,報酬単価を30分に換算して比較すると,日本より約9千円も高い設定になっています.つまり,日本は,報酬単価を安くして,非常に多くの患者さんを診ることで,一定の収益を確保するという方向にもって行かれてしまいました.現在の状況をどう打開し,切り返すのかは,自分たちで本気で考えて,動いて,克服しないといけないんです.昭和40年代はリハビリテーションを発展させるために理学療法士,作業療法士を増やそうという気運がありましたが,5万人以上の理学療法士がいる今,外部からの援護は期待できません.そのほかにも,養成制度のあり方,新人教育,職域の問題など,それぞれがリンクしあう喫緊の課題がたくさんあります.
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