理学療法の現場から
知的障害者に対する理学療法
比留間 邦子
1
1東京都社会福祉事業団七生福祉園
pp.290
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100460
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1.知的障害者に理学療法?
知的障害者更正施設に勤務するまで,知的障害者に対するイメージは,「数を数えられない」,「漢字が読めない」など,いわゆる知的な面の障害としかとらえることができていませんでした.ところがかかわりはじめると,明確な肢体不自由を示す者,微細脳症候群やsoft neurological signととらえられる者が大勢いました.運動障害というより,単に運動パフォーマンスの問題と思われる者もいました.さらに,身体のアライメント,変形性関節症,骨折,などの骨・関節系の問題も多く,抗重力筋を使わない姿勢や歩容,作業姿勢の悪さなども目に付き,理学療法が関与するべきことが多方面にわたってあることが徐々にわかってきました.
当施設は中軽度の知的障害施設で,3歳から18歳までの児童養護施設と成人更正施設が併設されており,したがって,幼児期から高齢期まで,また,発達から痴呆までと守備範囲はとても広範です.現在,最高齢者は76歳,成人施設の平均年齢は50歳です.
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