プログレス
難治性骨折に対する電気刺激療法
井上 四郎
1
1朝日大学村上記念病院整形外科
pp.477
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103054
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1.直流電気刺激法
1)電極を外部より刺入する方法(semi-invasive法)
1800年にVoltaが電池を発見して間もない1812年にはイギリスのSt Thomas病院のBirchが骨折の治療に直流電気刺激を実施したとの報告など,古くより電気刺激は試みられたが,電流量などの正確な記載がなく,おそらく1mA以上の電流が流れていたことが想像され,骨癒合には不利であったと考えられる.前述したように電流量を規定した科学的な電気刺激療法は,1953年に本邦の保田に始まった.
まず,軟部組織の電気抵抗が小さいため陰極の軟部組織貫通部はTeflon coatingで絶縁してある.陽極はスレンレスティールでは錆びる(酸化する)ため,井上はカーボンファイバー製を採用した.Brightonは皮膚電極を使用している.陰極は眉折部の電気刺激に反応すると思われる骨片に1~4本刺入し,陽極は少し距離をおいて刺入する.
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