特集 臨床実習教育
臨床実習教育のあり方―理学療法マネジメントの観点から
富樫 誠二
1,2
Togashi Seiji
1,2
1広島市立安佐市民病院 リハビリテーション科
2河﨑学園 大阪河﨑学園リハビリテーション大学
pp.21-28
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100234
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はじめに
急激な理学療法士(以下,PT)養成校の増加によって,臨床実習教育の場とその質の担保が問われている.この状況下で「臨床実習教育のあり方を問う」ことは,臨床実習指導者にとっては,大変難しいテーマである.しかも養成校増加による量が質を駆逐するという問題だけでなく,入院期間の短縮や患者権利意識の変化,プライバシーの保護,患者満足度の向上,個人情報保護の積極的な取り組み,ハイリスク患者の増加,診療報酬体系の変革といった社会情勢の変化に対応しなければならず,これが臨床実習をさらに複雑で難しいものにしている.
臨床実習指導者は,現場で臨床実習を引き受ける側の組織人(病院・施設などの)として,養成校と連携をとりながら臨床実習を上手にマネジメントしなければならない.しかし未だ成熟しているとはいえない臨床実習教育環境の中では臨床実習をマネジメントする課題は多い.臨床実習は,職場の理学療法マネジメントと一体化されてこそ教育効果が発揮されるものである.
そこで本稿では,臨床実習教育に長く関わってきた経験を踏まえ,臨床実習指導者の立場で組織論的に理学療法管理学の観点から臨床実習の現状と課題,そして展望について論述する.
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