特集 介護老人保健施設における理学療法の課題
介護老人保健施設におけるリスク管理―転倒対策を中心に
川渕 正敬
1
,
小笠原 正
2
Kawabuchi Masataka
1
1介護老人保健施設いごっぱち
2在宅総合ケアセンター近森
pp.505-511
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100108
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介護保険制度下では介護老人福祉施設,介護療養型医療施設,介護老人保健施設(以下,老健)の3施設が維持期リハビリテーションを担う主な施設サービスの拠点であり,中でも老健はリハビリテーション(以下,リハ)を主たる機能とし,家庭復帰を目指した医療と介護の一体的なサービスを提供することにより,在宅ケアの支援を目指す施設とされている.また老人保健施設協会は,その機能・役割について①総合的なケアサービス提供,②家庭復帰の支援,③在宅ケアの支援,④地域に開かれた施設の4つを挙げ,医療機関と在宅の中間施設として位置付けられるものとしている.
老健における理学療法士(以下,PT)の役割は主に身体機能・能力の維持・向上,活動性の維持・向上にあり,あくまで在宅における日常生活動作(以下,ADL)を視野にいれた取り組みが大切である.一方,在宅生活を送るにあたり,障害高齢者の身体的要因や彼らを取り巻く環境には機能・能力低下を引き起こす様々な因子が存在するが,中でも転倒は生活機能の低下を引き起こす大きな原因であり,積極的にその予防に努めることが大切となる.そこで本稿では,老健におけるリスク管理,特に転倒対策について当施設における現状と取り組みを交えながら述べることにする.
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