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特集 老人保健施設の理学療法
老人保健施設の現状と展望
Physical Therapy in the Health Service Institution for the Aged: Present State and View of the Health Service Institute for the Aged
伊藤 雅治
1
Masaharu ITOH
1
1厚生省老人保健課
1Division of Health and Welfare for Aged, Ministry of Health and Welfare.
pp.506-511
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103558
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Ⅰ.高齢者保健福祉施策の背景
我が国は現在,かつて無い速さで高齢化が進んでいる.1990年から2000年までの10年間の高齢化率(全人口に占める65歳以上人口の割合)の上昇は,それまでの20年間のそれとほぼ同程度になるものになると予測されている.高齢化の進展,とりわけ後期高齢者の増加は寝たきり老人や痴呆性老人など介護を必要とする老人の増加をもたらし,2000年には寝たきり老人100万人,痴呆性老人は150万人に達すると推計されている.一方,高齢者の子どもとの同居率の低下,女性の社会進出,一人暮らし老人の増加などから家庭の介護力が低下しており,要介護老人をかかえる家庭に対する社会的な支援システムの充実の必要性が高まっている.また,高齢化は老人医療費の増蒿(こう)をもたらしており,1990年で国民医療費20兆6900億円のうち老人医療費は5兆9400億円で29%を占めている.このようなことを背景要因として,在宅,施設を通ずる総合的な介護体制の整備が緊急の課題となっている.
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