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2000年4月の診療報酬改定により回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟が新設された.また2001年には,従来の国際障害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)に変更され,翌年2002年の診療報酬改定では,「リハ医療は,基本的動作能力の回復を目的とする理学療法や,応用的動作能力,社会的適応能力の回復を目的とした作業療法,言語能力の回復を目的とした言語療法等の治療法より構成される.」1)に,「いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるものである.」2)と新たな一文が加わった.
回復期リハ病棟の目的は周知の通り,ADL能力の向上による廃用予防と家庭復帰促進である.この目的達成のためには,退院後の「するADL(活動)」を見据えてチームでリハ計画を立て,集中的にADL能力の向上に向け,実際の生活の場である病棟にて理学療法士(以下,PT)や作業療法士(以下,OT)が活動向上訓練を行い「できるADL」を伸ばし,看護師等が「しているADL」として定着させるという協業体制が求められている.このようなリハサービスは,従来の基底還元論的治療訓練3~6)偏重の思考を改め,目標指向的アプローチ3,6~11)を推進し,できる限り短期間で在宅生活へつなぐための効果的な手法であるとともに,これがICFで示される「活動」や「参加」を重視した自立支援のあり方に他ならない.さらには,診療報酬改定で示された「実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるもの」を意味すると考える.この一連の流れから,われわれPTはリハ医療におけるこれまでの取り組みを振り返り,今後のあるべき姿を創造していかなければならない重要な時期にあると認識する.本稿では,このような認識に立って当院回復期リハ病棟におけるPTの具体的な取り組みについて紹介する.
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