検査じょうほう室 一般:一般検査のミステリー
下痢便から検出される大腸菌
大西 健児
1
1東京都立墨東病院感染症科
pp.556-558
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906662
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下痢原性大腸菌? 病原[性]大腸菌?
大腸菌(Escherichia coli)はヒトの腸の常在菌である.したがって,下痢便からは病原性を有しない大腸菌も検出される.しかし,ここでは下痢の原因となる一群の大腸菌,すなわち下痢原性大腸菌について述べることとする.
この下痢原性大腸菌はかつて「広義の病原[性]大腸菌」あるいは単に「病原[性]大腸菌」と呼ばれていたことがあり,現在の腸管病原性大腸菌(enteropathogenic E.coli,すなわちEPECのこと,以前は「狭義の病原[性]大腸菌」あるいは単に「病原[性]大腸菌」と呼ばれていたこともある)との間で用語の混乱がみられていた.そのため,最近は下痢原性大腸菌のように呼ばれることが多い.
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