技術講座 微生物
下痢原性大腸菌の検査
勢戸 和子
1
1大阪府立公衆衛生研究所感染症部細菌課
pp.659-664
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103240
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新しい知見
ヒトに下痢や腹痛などの腸管感染症を引き起こす大腸菌は下痢原性大腸菌と総称され,保有する病原因子や発症機序によっていくつかに分類される.それぞれに「分離頻度の高いO抗原とH抗原の組み合わせ」が主な血清型として知られていたが,これまで認識されていなかった血清型や型別できない株が病原因子を保有する一方で,主な血清型の株でも病原因子を欠く場合があり,血清型だけで下痢原性大腸菌と同定することはできない.腸管常在菌で非病原性の大腸菌との鑑別のためにも,病原因子の確認が必要である.
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