検査じょうほう室 生化学:おさえておきたい生化学の知識
血清シスタチンCの臨床的評価と基準値設定
山本 英明
1
,
伊藤 喜久
2
,
赤司 俊二
3
1埼玉県立小児医療センター放射線技術部
2旭川医科大学医学部臨床検査医学教室
3埼玉県立小児医療センター
pp.552-555
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906661
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はじめに
血清シスタチンC(cystatin C,以下Cys-C)は糸球体濾過率(glomerular filtration rate;GFR)を表す新しい臨床検査として注目を集めている.Cys-Cは分子量13 kDaの塩基性蛋白質でpos-γ-trance蛋白とも呼ばれており,システインプロテイナーゼインヒビターの一種である.Cys-Cは全身の臓器,組織の有核細胞で産生されており,コードする遺伝子およびそのプロモーターはハウスキーピングタイプであるため,細胞内外の環境変化にほとんど影響を受けないで一定の産生量で細胞外液中に分泌され,短時間のうちに腎糸球体から濾過されて,そのほとんどが近位尿細管より再吸収され異化されることが知られている1).
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