増刊号 臨床血液検査
III.血液病理検査
4.特殊な技術
2)パラフィン切片によるDNA解析
保坂 義雄
1
1東京逓信病院泌尿器科
pp.403-406
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906574
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はじめに
パラフィンブロックによるDNA解析として古くからSchiff試薬を用いたFeulgen反応があり,顕微分光測光法により個々の細胞のDNA定量を行い分裂サイクルのヒストグラムを得ている.最近はプロテアーゼなどを用いてパラフィンブロックからDNAを抽出し,癌遺伝子の増幅などが調べられるようになってきた.しかし,Feulgen法は手間がかかり,測定細胞数も通常3桁で一般の臨床検査向きとはいえず,DNA抽出法はまだ研究レベルのものである.
ここでは最近数年の間に研究レベルから中検レベルになった観のあるフローサイトメトリー(FCM)によるDNAプロイディー(ploidy)分析について,その手技と結果判定上の注意点を中心に述べることとする.なお,FCM一般については本書49ページ,および384ページに解説されている.
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