増刊号 臨床血液検査
II.止血機能検査
2.検査の実際と症例の解釈
1)血小板機能検査
B.症例呈示
(1)血小板無力症の一姉妹例
粉川 皓年
1
,
野村 昌作
1
1関西医科大学第一内科
pp.172-176
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906508
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はじめに
先天性血小板機能異常症の診断には,血小板機能検査とともに膜の詳細な解析が必要である.血小板の膜には,血小板の粘着,凝集などの機能に中心的な役割を果たす膜糖蛋白(glycoprotein;GP)が多数存在しており,中でもGPIb,IIb,IIIaの3種類の糖蛋白は特に重要である.代表的な先天性血小板機能異常症である血小板無力症(Glanzmann's thrombasthenia;GT)は,アデノシン二リン酸(ADP)凝集の減弱,血餅退縮不良,出血時間の延長を特徴とし,GPIIbとGPIIIaの量的欠損がみられる.
本稿では,われわれが経験したGTの姉妹例について,血小板機能および血小板膜糖蛋白の解析結果について報告し,若干の考察を加えたい.
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