技術講座 免疫
M蛋白の検査法
藤田 清貴
1
1信州大学医療技術短期大学部衛生技術学科
pp.33-38
発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906092
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
M蛋白(単一クローン性免疫グロブリン:monoclonal immunoglobulin)は電気泳動上で幅狭い蛋白帯として観察される.M蛋白血症は,その一部が多発性骨髄腫,原発性マクログロブリン血症等の腫瘍性疾患と関係するため,その検出は診断的価値が大きい.M蛋白の検出・同定法としては免疫固定電気泳動法,免疫電気泳動法が一般的に用いられているが,それぞれの特徴を理解し両者を使い分けする必要がある.さらに,検出されたM蛋白に構造異常が推定された場合は,病態との関連性を明らかにするためWestern blotting法により分子量の検索を積極的に行うべきである.また最近では,簡便なM蛋白同定法として,特別な装置を必要とせず,高価な抗血清も微量で済む免疫吸収電気泳動法が報告されている.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.