検査説明Q&A・25
M蛋白血症の患者で,M蛋白以外の軽鎖(L鎖)の沈降線に歪みが認められました.どのようなことが考えられますか?
藤田 清貴
1,2
1群馬パース大学大学院保健科学研究科病因・病態検査学領域
2群馬パース大学保健科学部検査技術学科
pp.206-210
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201113
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■M蛋白
免疫グロブリンは,生体内における体液性免疫機構を担当する蛋白でIgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5つのクラスが知られている.それぞれのH鎖をγ,α,μ,δ,εと称し,軽鎖(light chain:L鎖)はκ鎖,λ鎖の2つのタイプに分類されている.M蛋白とは単クローン性(monoclonal)に増殖した免疫グロブリンのことをいう.多発性骨髄腫,原発性マクログロブリン血症,H鎖病,単クローン性ガンマグロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)などにみられ,その検出は診断的価値が高い1).
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