検査データを考える
高カリウム血症
川上 康
1
,
中井 利昭
1
1筑波大学臨床医学系臨床病理
pp.1397-1401
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906055
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高K血症における緊急度判定
一般に,血清カリウム(Kalium;K)濃度が5.0mEq/l以上を高K血症という.血清Kは血漿Kよりも0.2〜0.3mEq/l高値となる.年齢差として,乳児では若干高い傾向がみられる1).
体内のKの98%は細胞内に存在し,細胞外液のKはわずか2%である.細胞内外のK濃度勾配(外部は内部の約1/30)は細胞膜興奮性の主要な調節因子であり,血清Kの著明高値(多くは7.0mEq/l以上)は致死性不整脈を起こすことから,迅速な対応が必要とされる.このため,しばしば臨床の現場で判断に迷う点は,高K血症の緊急性の有無である.
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