検査データを考える
尿試験紙の異常反応
舛方 栄二
1
1東邦大学医学部附属大森病院臨床検査部
pp.1085-1091
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905976
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
尿試験紙を用いた尿定性検査は各種疾患のスクリーニング,治療経過のモニタリング,また学校検尿に代表される各種健診などで最も一般的に行われている.最大の特徴は尿に試験紙を浸すことにより最高10項目もの検査情報が瞬時に得られることであり,最近では臨床検査の重要な初期検査の1つとして広く行われている.
しかしこの試験紙法には十分に留意しなければならない点もあり,検査の現場でもしばしば定量値などと乖離した結果として現れてくる場合も見受けられる.これが偽陰性,偽陽性反応1)と呼ばれる現象である.本稿では代表的な偽陰性,偽陽性反応について解説し,併せて尿試験紙における異常反応について説明を試みる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.