技術講座 一般
尿試験紙の使い方
河喜多 龍祥
1
1東海大病院中検
pp.68-70
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200952
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今日の臨床検査は自動化,簡易化の大きな流れの中で急速な進歩発展を続けている.尿検査は従来,試験管法のスルホサリチル酸法(タンパク)やニーランデル法(糖)などが行われていたが,10数年前より試験紙法による簡易法が急速に普及し,今日では大病院,小病院を問わず一般的な尿検査法となった.人々は,太古から疾病の時尿の成分に変化が起こることに気づいていた.これらの観察記録の一部は,今日洞窟や墳墓に壁画として残っており,古代バビロニア人,シュメール人,ヒンズー人も疾病の診断に尿の観察が役立つということを書き残している."蜜のように甘い尿"に関する記載はその一例である.
今日,臨床検査の分野では,その測定操作も比較的簡単であるため診断の第一歩としてスクリーニング検査に,また健康診断の一助として重要な役割を果たしている.しかし一方では,簡単な検査のためその役割を軽視する向きがないではない.そこで今回,尿試験紙の取り扱い及び注意事項について述べる.
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