ザ・トレーニング
尿試験紙の評価法
細萱 茂実
1
1山梨医科大学附属病院検査部
pp.1198-1202
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204720
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はじめに
定性検査は定量検査に比べて操作が簡便であり,検査成績もある意味では粗野に扱われがちであるが,その臨床的有用性や利用頻度からみると,定性検査法の評価・管理の重要性は定量分析法に比べて勝るとも劣らないことといえる.しかし,定性検査の評価法については,臨床化学に代表される定量分析法の評価のような定められた方法はなく,また,それに関する検討も少ない.このことは,検査法(尿試験紙など)の管理は製造メーカーで行われているという前提のためもあると思われるが,実際は検査室の環境条件や実施者の熟練度,検体の特殊性など試験紙の性能以外の要因が成績に影響を与えることは十分考えられ,各検査室ごとまたは日々の測定ごとに検査法の評価・管理を行うことが重要である.そこで,試験紙による尿検査などのように,測定値が-,±,+で示されデータに自然な順位がある値をもつ測定法の評価法に関して,方法論の整理を行うとともに若干の考察を加えた.
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