増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
7.組織内病原体の日常染色法
b)抗酸菌の染色法
ファイト法
大塚 俊司
,
鈴木 慶治
,
川津 邦雄
pp.760-763
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905884
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ファイト法(Fite method)は,らい菌(Mycobacterium leprae)など抗酸性が結核菌より弱い場合,あるいは結核菌(Mycobacterium tuberculosis)でも病巣が陳旧化し,菌の活動性が低下している場合など,チール・ネルゼン染色(Ziehl-Neelsen stain)では菌体が十分に染色されにくい際にも良好な染色性を示す優れた方法である.また,本来グラム陽性を示すノカルジア(Nocardia)は,陳旧化した病巣ではグラム陰性を示すため,グラム染色での証明が困難になるが,弱抗酸性を示すことから,グロコット染色(Grocottstain)などにより菌体を証明し,補助的に本法を行うことにより菌を同定することができる.
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