増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
5.アミロイドの日常染色法
アルカリ・コンゴー赤染色(プチトラー・スウィート法)
田村 邦夫
pp.724-727
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905871
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
アミロイドとは何か
アミロイドは初めは類殿粉様の多糖類と考えられていたが,近年になって,X線回折によりβ構造を示し,電子顕微鏡でアミロイド細線維と呼ばれる線維状の蛋白を主成分とすることが明らかになってきた.現在では,アミロイドはこれらの特徴を有する蛋白物質の総称となっている.
アミロイドの生成機序はよくわかっていないが,種々の生体反応の結果として前駆蛋白が特異な性質を示すアミロイド蛋白に変化するといわれている.このため,アミロイドを構成する蛋白成分は由来する前駆蛋白によって異なり,免疫グロブリンL鎖(κ鎖・λ鎖),血清アミロイドA(serum amyloid A;SAA)蛋白,プレアルブミン(トランスサイレチン),カルシトニン,プロラクチン,β2-ミクログロブリンなどが前駆蛋白としてわかっている.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.