技術講座 病理
アミロイドの染色法—コンゴー赤染色を中心に
内野 文弥
1
,
山下 勝
2
,
村上 喜信
2
1山口大学第1病理
2山口大学病理学教室
pp.231-235
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202019
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アミロイド症は,細い線維成分の蛋白であるアミロイドが組織間隙に沈着した結果起こる疾患である.
アミロイド症は症状が多彩であり,種々の生化学領域の検査で,特異的な変化を示さないので,生検によってアミロイドの沈着を病理組織学的に証明する以外に決定的診断法はない.しかし,アミロイドはヘマトキシリン・エオジン染色では,エオジンにほぼ均質に染まり硝子化との鑑別は不可能である.今日までアミロイドに対する種々の染色方法が発表されてきたが,いずれの染色もアミロイドのみを染めて,ほかの物質は全く染色しない特異的な方法はないと言ってよい.そこで厳密にアミロイドを同定するには,幾つかの染色法の結果で総合判断する必要がある.しかし,一般にはコンゴー赤で橙赤色に染まり,その標本を偏光顕微鏡で観察して,コンゴー赤染色物質が緑色偏光を示せばアミロイドとされている.
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