技術講座 病理
アミロイドの染色法—コンゴ赤染色と免疫組織化学的方法
横田 忠明
1
,
山下 勝
1
,
内野 文彌
2
1山口大学病理学教室
2山口大学病理学
pp.791-795
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203763
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アミロイドの染色には,コンゴ赤(Congo red)染色法をはじめとして,いくつかの方法が知られている.しかし,現在アミロイドの診断基準は,コンゴ赤染色で陽性に染まり,偏光顕微鏡下で緑色複屈折を示すことが,超薄切片の電顕像で幅10nmの細線維構造を示すこととともに条件となっている.これまでにいくつかのコンゴ赤染色法が報告されているが,いずれの方法もアミロイドのみが常に一定に,美しく橙赤色に染色されるとは限らない欠点がある.特に,アミロイド苔癬など皮膚のアミロイドは染色性が弱く,また弾性線維や膠原線維が共染することもあって,時に誤って診断されることがある.
本稿ではアミロイドが最もよく染色されると思われるPuchtlerとSweatのアルカリコンゴ赤染色法の変法を紹介し,その留意点について述べる.また,ダイレクト・ファースト・スカーレット染色法と,最近行われるようになったアミロイドの免疫組織化学的な染色方法も簡単に紹介する.
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