技術講座 微生物
溶血レンサ球菌の免疫学的検査
望月 照次
1
,
宇賀神 和久
1
,
中村 良子
2
1昭和大学藤が丘病院中央臨床検査部
2昭和大学藤が丘病院臨床病理科
pp.525-530
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905822
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新しい知見
溶血レンサ球菌(溶連菌)などの微生物検査の原則は培養による分離・同定である.しかし検査結果を得るまでに長時間を要し,生命にかかわる感染での極めて早期の治療,あるいは続発症の予防での抗生物質投与に即応できない.そこで免疫学的方法による感染微生物の迅速検査法がある.最も進歩しているのが溶連菌に対する迅速診断法である.現在は免疫クロマトグラフィー法が汎用され,この方法の検出感度は103〜104CFU/mlで陽性の結果は咽頭炎などの局所病変を起こす菌数(103〜104CFU/ml以上)を十分に反映している.また,新生児の敗血症,髄膜炎の重篤な感染症の起因菌にB群溶連菌があり,母子間の垂直感染が感染経路とされ,新生児の感染症の治療にも有効である.
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