Laboratory Practice 〈微生物〉
G群溶血レンサ球菌感染症
小栗 豊子
1
1亀田総合病院臨床検査部
pp.626-631
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103589
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はじめに
溶血レンサ球菌感染症は2000年頃よりその動向に変化がみられ,それまであまり顧みられなかったB群(Streptococcus agalactiae)やC,G群レンサ球菌の侵襲性感染症が増加し,リスクのある高年齢者の間で大きな問題となっている.G群レンサ球菌には複数の菌種が含まれているが,このうちのS. dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)はヒトに重篤な感染症を引き起こし,菌種の性状や病原性はA群菌のS. pyogenesと極めて類似することが明らかにされてきた1).また,SDSEはG群のみならずC,A,L群の抗原を有する菌株が存在することが確認されている.本稿ではLancefieldの分類と菌種との関係を整理したのち,SDSEを中心とした溶血レンサ球菌感染症の最近の動向について解説する.
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