技術講座 細菌
細菌の型別法5—溶血レンサ球菌A・B群
中島 邦夫
1,2
1大阪市立少年保養所
2大阪市大医学部臨床検査医学
pp.687-692
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203732
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レンサ球菌属は,グラム陽性,長短の連鎖状の配列を示し,カタラーゼ陰性,多くは好気性または通性嫌気性の球菌である.
溶血レンサ球菌は,細胞壁を構成するLancefieldの群特異多糖体抗原の種類により,沈降反応によってA〜V(IとJを除く)の20群に群別される.なお,レンサ球菌の分類にはまだ不十分な点が多く,Lancefieldの一つの群は必ずしも分類上の一つの菌種とは限らないが,A群菌,B群菌についてはStreptococcus pyogenes,Streptococcus agalactiaeと一菌種のみである.また,溶血レンサ球菌の特徴である溶血性はさまざまであるが,適切な条件下で溶血性を観察することは,菌同定に際し非常に大切なことである.
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