臨床検査に必要な統計処理法・13
病態別検査データの比較—いわゆるt検定は万能ではない
細萱 茂実
1
1山梨医科大学医学部附属病院検査部
pp.81-86
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905718
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はじめに
目的とする特性に関する疾患群と非疾患群の比較,男女別の比較,治療前後での比較など,2つの集団の間で特性値の比較が問題となる機会は多い.これら2群の差を客観的に判断するために,統計学的な有意差の検定が用いられる.頻用される手法がいわゆるt検定であるが,やみくもに統計ソフトのt検定を適用し,その結果を鵜呑みにするだけでは,誤った結論を導いてしまう危険性がある.有意差の検定法にはいくつかの種類があり,扱うデータの性質によって適切な手法を使い分ける必要がある.ここでは,各種検定法の中で,2つの母集団の平均値の差を検討するケースを取り上げ,統計学的な仮説検定の方法について考える.
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