Laboratory Practice 血液 骨髄塗抹標本の見かた
異常細胞の見かた・1 赤芽球系の異常
1.数の異常 増加と減少
清水 長子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1528-1529
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905683
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はじめに
正常な赤血球の寿命は約120日であり,老化に伴う膜変化が目印となり,マクロファージに貪食され死滅する.赤血球の膜破壊により寿命が短くなることを溶血(hemolysis)という.寿命前に死滅する赤血球が増え,循環する赤血球が減少すると,それを補おうとして骨髄における赤血球産生能が旺盛となる.
赤血球の死滅が産生を上回ったとき貧血が生じる.ただし,溶血があっても貧血を認めないときもある.骨髄液中における赤血球系の数の異常は,骨髄系細胞:赤芽球細胞の比率(M/E比)または赤芽球のパーセンテージ(正常域20%±5%)が指標の1つとなる.
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