増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた
6.異常細胞の見かた
5)2系統以上の細胞の異常(1)数の異常―①増加(1)
清水 長子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1128-1130
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100805
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形態学的所見(図1,2)
図1の骨髄像は,過形成を呈しており巨核球も多数見られる.M/E比は著しく高値を示した.巨核球の著しい形態異常はないが正常のものと比べやや小型である.中拡大にすると各種成熟段階の顆粒球系細胞があり好酸球,好塩基球なども認められる(図2).リンパ球,赤芽球系の細胞の減少がみられる.
このような形態学的所見を呈する疾患
顆粒球系細胞の各成熟段階を認められる疾患としては,慢性骨髄性白血病,幼若顆粒球系の出現する類白血病反応,慢性骨髄増殖性疾患(慢性骨髄単球性白血病,真性多血症,本態性血小板血症,骨髄線維症)顆粒球系増多を来す細菌感染症などが挙げられる.
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