技術講座 病理
腫瘍リンパ節微小転移検出の検討
池田 聡
1
,
木村 博
1
,
本間 恵美子
1
,
芝田 敏勝
1
1土浦協同病院病理部
pp.1515-1522
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905679
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新しい知見
リンパ節転移の有無は癌患者の予後に最も影響を及ぼす因子の1つである.しかし,ヘマトキシリン・エオジン染色による診断で陰性とされた症例の中にも転移再発を起こすものは決して少なくない.例えば,手術時に郭清されたリンパ節で転移陰性とされた肺癌症例のうち,約30%は転移再発を起こしており,このことは現在の転移診断法が感度的に不十分である可能性を示唆している.最近,癌患者の末梢血,リンパ節などに存在する少数の癌細胞を検出することが,その予後の推定,高危険群の拾い出しに関して有用なツールになり得ることが報告されてきた.
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