発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211678
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胃癌リンパ節微小転移の検索においてHE染色にサイトケラチン(CAM5.2)染色法を加え,その臨床応用の可能性を検討した.1999年1月以降に経験した胃癌手術症例のうちセンチネルリンパ節の検討を行った252例3,260個(A群)と腹部大動脈周囲(No.16)リンパ節の検討を行った58例653個(B群)を対象とし,従来の1切片HE染色の隣接1切片にCAM5.2免疫染色を付加した.その結果,A群のHE染色による転移陽性率は10.6%,CAM5.2染色では11.3%であり,15例(6.0%)に微小転移を認めたが,stage migrationは3例のみであった.一方,B群のHE染色による転移陽性率は15.3%,CAM5.2染色では16.5%であり,HE染色によるNo.16リンパ節転移陰性例の7.5%に微小転移がみられた.実践的な隣接リンパ節1切片法でCAM5.2染色を行ったが微小転移は低率であり,日常の病理学的検索にCAM5.2染色を付加する臨床的意義は見出せなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004