Laboratory Practice 血液 骨髄塗抹標本の見かた
骨髄細胞密度の評価(低形成・正形成・過形成)
西村 敏治
1
,
松谷 章司
2
1NTT東日本関東病院臨床検査科
2NTT東日本関東病院病理診断科
pp.1448-1451
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905659
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はじめに
骨髄は全身に分散し,全重量1,600〜3,700g1)(体重の約5%に相当)の臓器である.骨髄組織は造血系細胞,脂肪細胞,血管,神経,網内系細胞などから構成されている.通常は約1/2が造血細胞で占められている(年齢,部位,栄養状態によって異なる).需要に相応して骨髄内の造血能力は5〜10倍にもなるといわれている1).顆粒球系や赤芽球系の構成比も種々の病態で変化し,また白血病細胞など腫瘍性細胞により置換され,本来の造血系が低形成性となることがある.
造血系細胞には顆粒球,赤芽球,巨核球の3系統があり,顆粒球系や赤芽球系は血球同士が比較的集団をつくる形で分布している.赤芽球はマクロファージを中心に特に密な小集団(赤芽球島)を形成する傾向にある.
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