技術講座 病理
消化管EMR検体の処理
松林 純
1
,
大橋 健一
1
,
小池 盛雄
2
1東京都立駒込病院病理科
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科器官システム制御学系消化・代謝病学講座病因・病理学
pp.1311-1314
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905624
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新しい知見
消化管の隆起性病変に対する高周波を使用した内視鏡的切除はポリペクトミーと呼ばれ,わが国では丹羽により1968年に初めて施行された.その後,平坦な病変に対して1984年,多田らによりstrip biopsy法が開発された.近年では内視鏡的粘膜切除術(endoscopicmucosal resection:EMR)と呼ばれ,食道・胃・大腸の小病変に対して一般的に広く行われている.特に食道表在癌に対するEMRは,外科的切除と比較して治療後のQOLが非常に良好であり,その適応もしだいに明確にされ,手技的にも確立された治療法となった.今後の症例のさらなる蓄積と高度な臨床的,病理学的検索が望まれるところである.
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