増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 5 凝固・線溶検査
4.ルーチン検査
2)データの読みかたと検査診断の進めかた
川合 陽子
1
1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
pp.855-859
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905491
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はじめに
凝固・線溶系のルーチン検査としてはAPTT・PT・フィブリノゲンの3項目が一般的である.手術前や重篤な基礎疾患を有する患者の凝血学的スクリーニング検査としては,上記3項目にFDPを加え,血小板数の検査とともに5項目が一般的である.出血時間やトロンボテスト(TT)は対象患者がやや限定され,若干異なる位置づけと思われる.凝血学的検査は出血傾向の診断のために進歩してきたが,スクリーニング検査としては,一次止血には血小板数と出血時間,二次止血にはAPTT,PT,フィブリノゲン,線溶のスクリーニング検査にはフィブリノゲンとFDPがある.臨床医が出血傾向の患者を認めたときに鑑別する疾患を図1に示した.
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